『誰も傷つけなかった』安倍首相の動画に対する星野源のコメントの凄さ

感想・レビュー
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幸せな企画

4月3日に星野源がとある曲をInstagramに投稿した。

うちで踊ろう

コロナウイルスの影響で外出自粛が叫ばれる中、星野源が「家でも楽しめるものを」という思いで短い新曲を作った。

「今は自分の中で楽しめることをしよう。そして事態が収束したらみんなで遊ぼう」

タイトルを「おうちで踊ろう」ではなくあえて「うちで踊ろう」にすることによって、「家」という意味だけではなく「屋内」や「自分の心の中」などありとあらゆる「うち」の意味が込められている

そんなメッセージをポップな歌詞に置き換えて、アコースティックギター1本のリズミカルなメロディに乗せた。

この曲は一斉にSNSで拡散されるとともに、投稿の最後に「誰か、この動画に楽器の伴奏やコーラスやダンスを重ねてくれないかな?」とあるようにミュージシャンやダンサー、スポーツ選手や芸能人などもこの曲に自身のパフォーマンスを重ねて投稿するなど大きな反響を呼んだ。

三浦大知+清塚信也

岡崎体育

ポセイドン・石川

吉田沙保里

紹介した他にもたくさんの「#うちで踊ろう」と記載された動画が公開され、音楽ファンのみならずこの企画に賛同する人たちのファンまで幸せな気持ちになった。つまり”日本中全体が幸せになった”といっても過言ではないかもしれない。

そんな中、ある人物の動画がこのムードに水を差した。

安倍首相の不正解

あろうことか一国の長だった。

安倍晋三内閣総理大臣が「#うちで踊ろう」のハッシュタグをつけ、星野源の企画とコラボした。

ツイートの内容としては正直怒ることではないと思う。

国民のことを思ってのSNSでの発言であると思うし、医療従事者に対する労いのコメントまで付け加えられている。

発言自体は政治家や内閣総理大臣、それにいち人間として至極まっとうな発言である。

それに動画の内容も別に問題ではない。

「#うちで踊ろう」の企画は誰でもどんな形でも参加していいので、おじさんが犬をなでる動画でも全然構わない。

(個人的にはこの太字の部分を無視して論じるのは違うのではないかと思う。)

しかしこの投稿に対し反感が生まれてしまった。

その理由は2つある。

【非常事態における動画としてふさわしくないこと】

【星野源を政治利用したこと】

これが安倍首相が出した不正解だった。

【非常事態における動画としてふさわしくないこと】

先ほども書き記したように、「#うちで踊ろう」の企画は誰でもどんな形でも参加していいので、動画の内容については問題はないと思っている。

ただ問題なのは『立場を分かっていなかった』というところにある。

コロナウイルスの影響で国はとうとう非常事態宣言を行い、国民に外出自粛を勧告するなど本格的に取り組む姿勢を見せた。

星野源をはじめとするアーティストは軒並みライブを延期、中止せざるを得ない状況に追い込まれ多額のキャンセル料を支払い活動自体が危ぶまれる危機に陥っている。芸人も、劇団も、テレビ局もそういう状況に陥っている。

それだけではない。飲食店は収益が減少し閉鎖、廃業に追い込まれたりしている。

それに日々命を助けるために各所で対応している医療従事者は大変な思いをしているはずだ。

そんな国民全員が疲弊している中でのあの動画だった。

国のトップが自宅で犬をなで、お茶を飲んで、本を読んで、テレビを見る。

もちろん首相としていい悪いは別でコロナウイルスに対する政策を日々考えているのは分かっている。

だがそれを加味しても、一丸となって戦っている国民に対して公開する動画としては明らかにふさわしくない動画で、国民全員の神経を逆撫でするには十分の動画だった。

国民に対する不正解。

【星野源を政治利用したこと】

これは音楽ファンを完全に敵に回した。

星野源は日本のミュージシャンの中でもトップクラスの人気があり、俳優としても人気がある。テレビやラジオでも活躍し、好感度も高い。

そして今回の「#うちで踊ろう」の企画は誰もが『楽しむため』の企画として広まったものだった。

そこに乗っかって不正解の動画をあげた安倍首相、並びに関係者のミーハーぶりには呆れてしまう。

結果的には好感度を下げることになってしまったが、星野源を自身の好感度アップのために政治利用したのだ。

2問連続不正解。

この代償は次期選挙で高くつくだろう。

星野源の正解

国民としては大多数の人間が今回の動画で安倍首相に対して「NO」を示したのは明白。

ただ国民の怒りと非ではないほど星野源は今回対応に苦しんだに違いない。

星野源が怒りに任せて「NO」というのは簡単ではない。

影響力を持つ者として、迂闊にコメントをすると安倍首相の支持者からの反発が生まれてしまう。

かと言って一切触れないともなると、安倍首相側の人間と判断される場合もあるほぼ「泣き寝入り」状態になる。

どちらに転んでもケガをする。

そんな中、安倍首相の動画に対し星野源がInstagramのストーリーでこうコメントした。

どちらにも転ばなかった。

「是」か「非」か

ではなく

「是」でも「非」でもなかった

この文脈は非常に読み取りが困難だ。

「内面的な怒りが込められている」とも感じるし「この問題には触れないでおきたい」とも感じる。

星野源は明確に「是」か「非」かを表明せず、読み手の感情次第でどちらにも転ぶ中性的な文章にまとめた。

しかも、このコメントをストーリーで発表してすぐに「この画像、リポストやツイート等して頂いてもかまいません」と付け加えた。

各所への配慮に加え、この問題をSNSでさまざまな意見を唱えているファンに「考えてほしい」と投げかけている。

今回のコメントは完璧な対応だと思った。

なぜか?

星野源がケガをせずに乗り切ったから、ではない。

誰もケガをさせなかった。

そこにある。

それが正解です。

とにかく楽しもう

今回の問題があったとはいえ、星野源が作り出した「#うちで踊ろう」の意味は変わっていない。

誰でも、どんな形でも楽しめるもの

安倍首相に対してコメントを残したあとも、星野源のストーリーではみんなの「#うちで踊ろう」の動画を紹介している。

「#うちで踊ろう」は楽しむための企画

それを忘れてはいけない。

星野源 – うちで踊ろう Dancing On The Inside
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